IBA2016基調講演3(消費への構想)
消費への構想 ニュージーランド栄養補助食品について
プレゼンター:ジム・グリアソン(グリアソン・ドッド製品株式会社取締役)
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活躍されている皆様とまたこうして同じ研究員としてお会いでき、嬉しく思います。前回は2008年のニュージーランドでしたが、皆さまが変わらずご活躍されているようで何よりです。
本日はブラックカラントの必要性を感じ、私も設立にかかわった同僚の会社についてお話します。「人が世の中をワクワクさせる事は、問題を解決する事ができます」。その通りです。お話の始まりは私と同僚たちは別の方たちと会いました。私たちは、実りのある結果を得ました。前回、ニュージーランドにおける植物耐性とGEP(確率された方法で、製品のライフサイクルを通して、適切でコスト効果のある解決を見出すもの。)についてお話ししました。私たちはGEPを持っていません。
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まず初めに、ニュージーランドのブラックカラントの種類についてお話しして行きます。
世界的に広まっている種はアンガー・フォン・ウーフェルト(Anger von Oeffelt)とオーイェビン・ブラックカラント(Ojebyn Blackcurrant)の2種類です。
市場では対象を絞り商品を売り込むための優れた知識と教育能力が必要です。そういうわけですので、まずは数ある種の中から絞り込んでお話しすることにします。
SCRIジェームズ・ハットン協会の研究の一環で、まず最初に、私たちは、メスのウーフェルト、オーイェビン、ベン・ニーヴィス(Ben Nevis)とオスのベン・ルア(Ben Rua)を親品種としました。そうして出来たベン・アード(Ben Ard)をニュージーランドで販売開始したのが1989年のことです。当時の私たちはこの品種の成長速度が速いことを知りませんでしたし、気付きませんでしたが、結果的にこのような種が完成しました。
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ベン・アードについてお話します。この品種は安定して、育てやすく、一度の収穫量も多く、多様性に富みます。平均的な収穫期は1月の中旬、18日ごろです。熟してからもよく持ちます。実の大きさは67から72グラムほど、酸味が少なく、そこそこのビタミンCを含み、鮮やかな色が特徴です。斑点病に対する高い抵抗力も備えています。ベン・アードの栽培には今でも除草剤と殺虫剤を使用していますが、いずれ使用をやめることを検討しています。ボトリオスフェリア属のカビによる果実軟腐病やフシダニによる根瘤病には耐性が低いです。1100から1500時間の低温の気候が必要です。100ミリリットル当たり200から600ミリグラム、平均で390ミリグラムという豊富なアントシアニンを含みます。
2009年に発表された論文によると、ブラックカラント系の植物は15種類ものアントシアニンを含むそうです。含有する種類は生育される場所によって異なります。ブラックカラント系の植物に含まれるアントシアニンの90パーセント以上はデルフィニジン-グルコサイド、デルフィニジン-ルチノサイド、シアニジン-グルコサイド、シアニジン-ルチノサイドです。ベン・アードにはデルフィニジン-3-グルコサイド、デルフィニジン-3-ルチノサイド、シアニジン-3-ルチノサイドという3種類の主だったアントシアニンが含まれています。
なぜ、ニュージーランドのブラックカラントは最高のアントシアニン含有量を持っているのでしょうか?その理由は残念ながら臨床結果ではありませんが、ニュージーランドの米を使用して調査しました。ヒトという視点で見ると、不幸なことにニュージーランドでは皮膚癌の発症率が高いです。夏場は直射日光を避ける為に肌を隠さなくてはいけません。なぜこのような話をしているかというと、私たちは、果物や野菜の皮中のアントシアニン量を増やす事ができるからです。それが、私たちがニュージーランド研究所と合意した理由です。研究所はニュージーランドの果物や野菜の皮を使用して、素晴らしい調査をしました。気候はブラックカラントに最適です。空は澄んでいて、気温がとても低い。アメリカでは気温が高いので、ブラックカラントを育てようと思ったら西海岸の北緯41-45度当たりを選ぶ必要があります。ニュージーランドでは夏でも十分涼しいです。それゆえに、夏に、ブラックカラントが育ちます。他国で、夏場にブラックカラントを育てようと思ったら高度2400メートルぐらいでないといけません。ブラックカラントは特定の健康に良い化学物質を含んでいます。アントシアニンはその1つです。
私たちは数々の果皮から成分を抽出します。果汁や花粉や種や皮は研究所に運ばれます。
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アントシアニンに焦点を当てましょう。
この図は2011年に日本で発表された論文から抜粋しました。アントシアニン含有量の平均値はヨーロッパ産でキログラム当たり162から200ミリグラム、ロシア産は160ミリグラム以下、北米産は300から411ミリグラム、そしてニュージーランド産は200から600ミリグラムです。私たちがニュージーランド産ブラックカラントを誇る理由はこのアントシアニン量です。
ニュージーランドのとある製造業社はジャスト ザ ベリーズ(Just The Berries)製品を生み出しました。アントシアニン含有量20パーセント、30パーセント、35パーセント、40パーセントという4種類の検体を使用して調査されました。その結果、最も良い結果が得られたのは、20パーセント(実際は22パーセントですが)です。
私たちは、科学研究所の待合室でジャスト ザ ベリーズ(Just The Berries)とその他のアントシアニン含有調剤を受け取り、摂取しました。1日用量分の知らせが、間もなく届くとのことです。私たちは試験管での結果(in vitro)と臨床結果の両方を持つ事ができます。私たちには世界でブラックカラントを販売する情報を持っています。市場経験は積んでいるのです。試験管での結果(in vitro)に加えて、臨床結果もブラックカラントが効果的である事を示しています。
ブラックカラントのアントシアニンについての研究協力者は次の方々です。ロジャー・ハースト博士チーム――植物と食べ物に関する研究――脳・消化器・筋肉の回復、ニュージーランドの大学よりジューン・ウィリアム博士、ナロウ、ウィースティ――糖尿病、マッセイ大学よりアブドル・モーラン博士――消化器の健康、マーク――筋肉の回復、津田――メタボリック症候群、松本――視力、メタボリック症候群、フィンランドのトゥルク大学よりカリオ――アレルギー。
また、私たちは、月経前症候群と閉経期について研究し、女性のための健康製品も開発しております。
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ドッド製品について話しましょう。
製品の1つであるブレイン バイタリティー(Brain Vitality)を売り込むため、私たちはアジア諸国、マレーシアやインドネシアに進出しようとしました。残念ながらすでに活力関連の健康補助製品に関する会社がいくつかありました。北米では活力関連ジムの会社と競合しています。どうやら活力関連の分野で売り込むのは難しいようです。
しかし幸いにも私たちはすでに幅広く対応できる製品を持っています。
アレルギー リリーフ(Allergy Relief)、スキン ヘアー ネイル(Skin Hair & Nails)そしてブレイン ブースト(Brain Boost)はどれもブレイン(Brain)シリーズの種油を使った製品です。これらすべてにある共通点があります。ブレイン ヘルス(Brain Health)種油やビジョン(Vision)やマッスル リカバリー(Muscle Recovery)も同様です。それは55のブラックカラントの種から抽出した油が500ミリグラムのカプセルに含有されていることです。これはブラックカラントの種油を絶妙な混合比で配合したものです。現在、製品化に向けて包装しております。それぞれの製品が区別できるようにラベル中です。もちろん市場で販売いたします。
ビジョン(Vision)をご覧ください。スライド画面の下の方にあるものです。これには一連の製品がここにあります。スキン ヘアー ネイル(Skin Hair & Nail)とアレルギー リリーフ(Allergy Relief)は、多くは、健康用品店や健康関連市場で販売されます。ブレイン ブースト(Brain Boost)とブレイン ヘルス(Brain Health)のパッケージには病名が記されているのがご覧いただけると思います。これは広い用途に製品が対応している証です。近々、女性の健康に関する商品も完成する予定です。マッスル リカバリー(Muscle Recovery)やブレイン ヘルス(Brain Health)やビジョン(Vision)のラベルを「目」を強調するものに貼り替えています。
これらの製品には550ミリグラムのカプセルの中に35種のアントシアニンが入っています。このカプセルにはアントシアニン成分とほぼ同じ量のビタミンCと1粒当たり472ミリグラムのブラックカラント抽出成分が含まれます。つまり、1粒当たり165ミリグラムのアントシアニンが入っているのです。
チームメンバーのロジャーからの情報を得て、ウルトラ・バランス(Ultra-Valance)は抽出物が配合され、8ヶ月間連続で製造されました。製品の安定性を良くする為に、本当に高級な原料のままのビタミンBを加えたのです。このジェル状のカプセルには60ミリグラムのアントシアニンと300ミリグラムのブラックカラント種油が入っています。
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今後の課題について列挙しました。
臨床試験により裏付けされた人の健康への有益効果。現在進行中の試験の完了と経済源。今後も試験の継続実施。製品ラベルの提案。これはブラックカラント自身の結果が提案するでしょう。ニュージーランドで新しい規制があり、ヨーロッパ当局でも同様に規制される事への対応。販売データ。市場への進出。世界貿易マーケティング。製品登録。栽培者への配当。ブラックカラント果実の生産量。第一の課題はブラックカラントの生産量そのもの。第二の課題は抽出物を生産するために必要なブラックカラント果実量。
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良い点を列挙しました。
カプセル化されている。有効期間が長い。輸送が容易である。栄養素検査結果基準に適合している―栄養機能表示。オンラインの構築が完了している。一般水準の健康機能表示がされている。高水準での健康機能表示はしていませんが、これは高水準での健康機能表示ばかりが評判になる恐れがあるためです。化学品の情報を蓄積するために工場をニュージーランド内で入手する必要があり、この過程は18から20年の時間と多額の費用がかかります。実現は不可能です。これもまた、高水準での健康機能表示をしなかった理由です。また、国際的協力があります。
最後に、リチャード班、ジム班、ロジャー班、そして栽培者たちに感謝致します。
- English version:
- Conception to Consumption at IBA in 2016. (179KB)