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日本ブラックカラント協会(JBA)ブラックカラントについてのニュース
(#14 2021年)

こんにちは!
JBAのWebサイトは、ブラックカラントに関連した健康についての研究結果や最新情報を提供するために制作されました。しかし、ブラックカラントは研究だけでなく、世界中の多くの地域で重要な食物や飲料として親しまれています。私は、ブラックカラントのうれしいニュースを皆さんと共有したいと思います。

日本ブラックカラント協会アドバイザー
 ビル フロイド

ブラックカラントと母乳

前回から引き続き、ブラックカラントに関するスカンジナビアの研究に焦点を当てたニュースをご紹介いたします。

2015年にポーランドで実施された国際ブラックカラント会議にて、フィンランドにあるターク大学のヘイキ カリオ教授が大変興味深い研究を発表しました。彼は、健康食品や食品原料としてのブラックカラントの可能性についてまとめました。その中でも特に興味深い研究として、ブラックカラントが母乳に効果的であるとの研究がありましたので、ここに紹介したいと思います。


 [要約]“ブラックカラントオイルは、母乳中の生理活性タンパク質により先天性および後天性免疫を強化する”

カリオ教授の全てのスライドは下記のURLで見ることができます。母乳に関する情報はスライド23および24ページです。(Pediatric Allergy and Immunology,24,562-566,2013)


これらのスライドの概要を下記に示します。

[スライド23および24ページの概要]

  1. 背景:アトピーに対する免疫性の生成は生まれて1年以内が非常に重要です。母乳は乳児の免疫性の熟成に影響を与える数種類の免疫調節物質等を含んでいます。新生児母親の母乳中免疫調節物質と、妊娠中のブラックカラント種子オイル摂取の有無、母親のアトピー性の有無、新生児のアトピー性皮膚炎有無との関連が調査された。
  2. 方法:妊娠中にブラックカラント種子オイルを摂取した場合と、プラセボ(偽薬)としてオリーブオイルを摂取した場合の母乳を最初の3カ月間収集した場合との、免疫調節物質が測定された。またそれぞれの場合の母親から生まれた新生児がアトピー性皮膚炎を持つかどうかが調査された。
  3. 結果:ブラックカラント種子オイルを摂取した場合、プラセボに比べて母乳中のIL-4(アレルギーに関連する物質)が統計学的有意差を持って低く、IFN-γ(先天性および後天性免疫に関連する細胞)が統計学的有意差を持って高いことがわかった。アトピー性皮膚炎を持つ母親の母乳中のIL-10(IFN-γ生成を阻害)が統計学的有意差を持って低く、アトピー性皮膚炎を持った新生児の母親の母乳中のIFN-γは、アトピー性皮膚炎を持たなかった新生児母親の母乳に比べて統計学的有意差を持って低いことがわかった。
  4. 結論:ブラックカラント種子オイルの摂取は、母乳中の免疫調節物質生成に効果を持つ。

またブラックカラント種子オイルは、必須脂肪酸であるオメガ3と6の含有量比が非常に特徴的であることが別の研究で示されました。西洋的な食事ではオメガ3と6の摂取量のバランスが取れていないとの懸念が増加しています。すなわち、オメガ6が多すぎてオメガ3を十分に摂取していないとの懸念です。

ブラックカラント種子オイルは、ブラックカラントジュース製造業者の搾りカスから生み出される主要消費健康製品になる可能性を持っています。

製造業者にとって、主製品から派生してできる、別の副産物を意味する“副産物の有効利用”となるでしょう。このブラックカラント場合、世界的に主製品はジュースですが、ジュースを製造することによって出る搾りカスが非常に商業的可能性を持っています。ブラックカラント種子オイルは特別なものとして興味を惹かれる物に値します。カリオ教授の研究は、搾りカスからのオイル抽出物がブラックカラント生産量を非常に増加させる理由の一例として挙げられます。これはまた、世界中の消費者のためになり、それ故に業界全体にも利益をもたらしてくれるでしょう。

最後に、次のことは心に留めておいてください。

  • この研究はヒトに適用可能かもしれませんが、効果を確実にするには、さらに多人数の臨床試験が必要です。
  • 多人数の臨床試験が終了するまでは、バランスを取るための食品(特に、フルーツや野菜類)の一部として、ブラックカラントを食べて楽しんでください。
  • 上述の情報を、指導医に相談なしで、処置する為に使用しないでください。

ビル フロイド

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